毎年12月14日ごろに見られるふたご座流星群ですが、今年の活動のピークはきょうの明け方でした。早起きして観察された方もいらっしゃったことでしょう。流れ星は見られましたか？
冬の企画展「暖かい冬景色」の展示作品の中に「流れ星と願い事」という絵がございます。
信濃毎日新聞夕刊に連載された「風に吹かれて」の中の一枚です。このシリーズには藤岡が書いたお話があります。「流れ星と願い事」はこんなお話です。
「食べるとかなう」跳ねる魚
流星群が出現すると言うので、随分前から僕らは天気予報を見ながら、やきもきしたり、わく　　　わくしたりしていた。
いよいよその日がやって来た。澄み切った夜空に期待以上の流星が見える。ここぞ、とばかりにみんなは願い事を唱えるのだが、やはり消えない間に三度唱えるのは難しい。
しばらくすると、しきりに魚が跳ねるのに僕は気付いた。しかも流星が現れるのに合わせてジャンプしている。「オーイ、なんで流星に合わせてジャンプするの？」と聞くと「流れ星を食べるんだ。流れ星を食べると願い事がかなうんだ」魚は答えた。「今までに願いがかなった魚はいるの？」「ああいるよ、そいつは本物の星になったんだ、神様に魚座って星座にしてもらったんだ、伝説だけどね」「君の願いは何？」「天の川を泳ぐことさ。君たちはそんなふうに思ったこと無いの？それにしても流れ星ってやつは思ったより高い所を飛んでいるなあ、もっとジャンプ力を付けなくちゃ」そう言うと魚は水中に消えた。
天の川を魚が泳ぐ
星のくずでお腹を満たし
ジャンプするなら七色の
星のしずくが飛び跳ねる
星の魚文が宇宙に広がる